学校事務職員は「事務屋」ではない。
学校運営を支えるマネジメントスタッフという考え方
「学校事務職員は、書類やお金を扱う人。」
そんなふうに思われることがあります。
たしかに、予算管理や給与・旅費の処理、学校徴収金の管理など、日々の事務処理が業務の大半を占めることは事実です。しかし、それだけが学校事務職員の仕事でしょうか。
学校事務職員は「学校運営」を支える存在
いまの学校には、さまざまな課題があります。
- 教員不足による多忙化
- 複雑化する法令・事務手続き
- 保護者や地域との連携、多様化するニーズへの対応
- GIGAスクール構想の推進や校務DXなど、ICT活用への対応
- 不登校児童生徒の増加や特別支援教育への対応
こうした課題は、誰か一人で解決できるものではありません。教員も、管理職も、そして学校事務職員も、それぞれが日々の忙しさの中で向き合っているのが現実です。だからこそ、お互いの強みを持ち寄りながら、チームとして学校運営に取り組むことが求められています。その中で、法規・財務・組織運営の視点から貢献できるのが、学校事務職員の持ち味です。
山口県教育委員会の資料でも、学校事務職員は「校長の学校経営を補佐するマネジメントスタッフ」として位置付けられています。
でも現実には、事務業務に追われている
そうした期待がある一方で、現実はなかなか厳しいものがあります。
給与・旅費の処理、学校徴収金の管理、各種調査対応、電話への応対——次々と発生する業務をこなしているうちに、気づけば一日が終わっている。
学校全体を見渡したり、先生方や管理職と学校運営について話し合ったりする時間が、なかなか取れない。
「マネジメントスタッフとしての役割は理解していても、現実にはなかなか時間が取れない。」
そう感じている学校事務職員は、決して少なくないはずです。
大切なのは、「考える時間」をつくること
学校運営を支える役割を果たすためには、まず考える時間と教職員と対話する時間を確保することが必要です。
そのために欠かせないのが、日々の業務の進め方や情報の扱い方を見直すこと。仕事の仕組みを整えることで、必要な時間を生み出していく。
その手段の一つが、DX(デジタルトランスフォーメーション)です。
DXの目的は「時間を生み出すこと」
DXというと、難しく聞こえるかもしれません。しかし、効率化はあくまで手段です。本当の目的は、生み出した時間を学校運営に使えるようにすること。その本質はシンプルです。
たとえば、こんな場面を想像してみてください。
給与・旅費の処理
出張情報をシステムに一度入力すれば、旅費計算や支出伺いへの転記が自動で完了する。同じ数字を何度も手で書き写す手間がなくなる。
学校徴収金の管理
納入状況がリアルタイムで確認でき、未納の確認や保護者への連絡もスムーズになる。月末の集計作業にかかる時間が大幅に減る。
こうした改善によって生まれた時間を、学校運営を支えることに使えるようにする。それこそがDXの大きな意味です。
学校事務職員だからこそ、できることがある
授業を担当する教員は、子どもたちと直接向き合う大切な役割を担っています。
一方で学校事務職員は、教育活動から少し距離を置いた立場だからこそ、
- 学校全体を俯瞰して見る
- 法令や財務の視点で判断する
- 複数の部署や人をつなぐ
- 校内外との調整を担う
といった役割を果たすことができます。これは、学校事務職員ならではの強みです。
学校事務職員は、ただの「事務屋」ではありません。
キャリアに応じて、学校運営を支えるマネジメントスタッフとして活躍できる存在です。
そしてその一歩は、時間をつくることから始まります。
DXは、その時間を生み出し、あなたが本来の役割を発揮するための手段です。
参考資料
山口県教育委員会:学校事務職員の学校運営への参画による学校の総合力の向上に向けて
ー事務職員・教員連携協力校連絡会議 研究報告ー
